オランダのカスパー・フェルドカンプ外相は、3月11日にトルコを訪問し、高官級会談を行う予定です。今回の会談では、二国間関係の強化や、地域および国際的な重要課題に関する協力の推進が目的とされています。
フェルドカンプ外相にとって、これは2024年7月2日の就任以来、初めての公式訪問となります。
トルコのハカン・フィダン外相との会談では、経済および防衛産業分野での協力の深化、PKKやFETOといったテロ組織に対する対策強化、トルコとEUの関係強化について話し合われる見通しです。
また、トルコ側は、2008年に設立されたトルコ・オランダ関係の重要な外交プラットフォームである「ウィッテンブルグ会議」の次回開催を受け入れる用意があることを表明するとみられます。
フィダン外相は、テロ対策におけるオランダとの協力強化への期待、トルコのEU加盟プロセスに対する建設的な姿勢の必要性、そしてロシア・ウクライナ戦争が続く中でのトルコの欧州安全保障における重要な役割について強調するとみられます。
また、トルコはシリアに対する制裁の解除を改めて求めるとともに、国際的な支援によるパレスチナの「二国家解決」の緊急性を強調し、地域の不安定化を招くイスラエルの行動を抑制するための国際的な対応を呼びかける見通しです。
二国間関係
トルコとオランダは、政治、経済、安全保障協力を含む長年にわたる多面的な関係を築いています。
両国は、頻繁な高官級の政治対話やNATO同盟としての結びつきに加え、特に貿易や投資の分野で強固な関係を維持しています。
オランダは依然としてトルコにとって最大の海外投資国であり、2005年から2024年の間にオランダからトルコへの投資額は300億ドルを超えています。
一方、トルコからオランダへの投資額は200億ドルに達し、オランダはトルコ企業にとって最大の海外経済拠点となっています。
また、2024年のトルコとオランダの貿易総額は130億ドルに達しました。
さらに、オランダに住む約50万人のトルコ系住民は、オランダ社会と経済に大きく貢献し、二国間関係の強化に重要な役割を果たしています。