米当局者は、64人を乗せた旅客機が軍用ヘリと空中で衝突し、ワシントンのポトマック川の氷水に墜落した事故で、生存者がいない可能性が高いと発表しました。
「現在、救助活動から遺体回収作業へと移行する段階に入っています」 と、ワシントン消防局長のジョン・ドネリー氏は、木曜日にレーガン・ナショナル空港での記者会見で述べました。
「現時点では、生存者はいないと考えています。」 とドネリー氏は述べ、これまでに28体の遺体が収容され、そのうち1体は軍用ヘリの乗員であったことを明らかにしました。
夜明けとともに、強力な投光器を備えた救助船やダイビングチームを乗せたゴムボートが、川の広範囲を行き来する様子が目撃されました。
ドネリー氏によると、これまでに300人の救助隊員が捜索活動に参加しており、そのほとんどが真っ暗闇の中で行われました。
「救助隊員たちは極寒の環境の中で、強風や水面の氷に直面しながら、一晩中作業を続けました。」 と同氏は述べました。
事故の原因は依然として不明で、運輸当局によると、両機とも標準的な飛行経路を飛行し、夜間の視界も良好だったとされています。
「この事故は防げたのか? もちろんだ。」と、ショーン・ダフィー運輸長官は記者会見で述べました。
航空管制官の音声記録によると、衝突直前に管制官はヘリコプターに対し繰り返し旅客機を『視認しているか』と確認し、その後『後方を通過せよ』と指示していたことが明らかになりました。
「火の玉が見えたと思ったら、一瞬で消えた。」と、ヘリコプターとの通信が途絶えた後、管制官の一人が別の管制官に伝える様子が記録されました。
一方、ワシントンD.C.近郊で旅客機と衝突した米陸軍部隊は『作戦一時停止』となり、当面の間、同部隊のヘリコプターは飛行を見合わせると、米当局者2名が明らかにしました。
匿名で取材に応じた関係者の一人によると、第12航空大隊のヘリコプターは一時的に運用停止となるとのことです。
この措置がいつまで続くかは未定です。
なお、ナショナルガード所属のヘリコプターを含むその他の航空機は、引き続き捜索・回収作業を支援することが認められていると、当局者が発表しました。