2025年6月25日
アルメニアのニコル・パシニャン首相は、治安当局がクーデター未遂を阻止したと発表しました。計画にはアルメニア使徒教会に所属する高位聖職者が関与しており、地域問題を口実に政府に圧力をかけようとしていたとされています。
パシニャン首相は、2020年のアゼルバイジャンとのナゴルノ・カラバフ地域を巡る軍事衝突以降、上級聖職者たちとの対立が続いています。
同首相はテレグラムの公式チャンネルで、「治安当局が、アルメニア共和国の不安定化と政権掌握を狙った『犯罪的・寡頭的聖職者ら』による大規模かつ陰湿な計画を阻止した」と述べました。
パシニャン首相は、アルメニア捜査委員会による声明を引用し、バグラト・ガルスタニャン大主教が「2024年11月以降、アルメニア共和国憲法で認められていない手段によって政権を交代させることを目的としていた」と明らかにしました。
報道によれば、ガルスタニャン氏は拘束されたということです。
野党系団体「聖なる闘争運動」を率いるガルスタニャン氏は、昨年、アゼルバイジャンとの地域問題をきっかけに抗議活動を主導しましたが、最終的に首相の退陣には至りませんでした。
捜査進行中
捜査委員会によると、ガルスタニャン大主教は「運動の複数のメンバーの事前の同意を得た上で、テロ行為と政権掌握を実行するために必要な手段や道具を入手していた」とされています。
また、「現在、バグラト大主教およびその関係者およそ30人の自宅で家宅捜索が行われている」とも明らかにしました。
今月初めには、パシニャン首相がアルメニア使徒教会のガレギン2世総主教に対し、信者に辞任を求めるという異例の呼びかけを行っています。