ガザ戦争
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イスラエルによる支援船「マドリーン号」拿捕:これまでに分かっていること
生中継の映像では、イスラエルのボートが船を取り囲み、兵士たちが乗船している活動家たちに両手を挙げるよう命じる様子が映し出されました。
イスラエルによる支援船「マドリーン号」拿捕:これまでに分かっていること
マドリーン号は、月曜日にガザへ支援物資を届けるとともに、継続する人道危機への関心を喚起することを目的としていました。/ 写真:AP
2025年6月9日

フリーダム・フローティラ連合(FFC)が派遣した支援船「マドリーン号」は、6月1日にイタリア・シチリア島から出港し、粉ミルク、小麦粉、米、医療用品、海水淡水化キット、松葉杖、子ども用の義足などの人道支援物資を積んでいました。

日曜日の夜遅く、イスラエル軍はガザに向かっていたこの支援船「マドリーン号」を拿捕しました。

フリーダム・フローティラ連合は、イスラエル兵がマドリーン号に乗っていた活動家たちを「拉致した」と非難しています。

同連合によると、イスラエル海軍は以前、公海上でマドリーン号に乗り込み、その後、船との通信が途絶えたということです。

これに先立ち、生中継の映像では、イスラエルのボートが同船を取り囲み、兵士たちが乗船していた活動家に両手を挙げるよう命じる様子が映し出されました。

乗船者は誰か?

マドリーン号には、活動家11人とジャーナリスト1人の計12人が乗船していました。

乗船者には、トルコ出身のスアイブ・オルドゥ氏、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリ氏、フランスの欧州議会議員でパレスチナ系のリマ・ハッサン氏が含まれています。このほか、ドイツのヤセミン・アジャル氏、フランスのバプティスト・アンドレ氏、パスカル・モリエラス氏、ヤニス・ムハムディ氏、レヴァ・ヴィアール氏、ブラジルのチアゴ・アヴィラ氏、スペインのセルヒオ・トリビオ氏、オランダのマルコ・ファン・レンネス氏、そしてフランス出身のジャーナリスト、オマール・ファイヤド氏も乗船していました。

リマ・ハッサン氏は、ドローンが船に白い液体を散布した後、マドリーン号の上で警報が鳴ったと述べています。

SOS:支援船マドリーン号からの緊急信号

フリーダム・フローティラ連合は、テレグラムにおいて「SOS!『マドリーン号』に乗っていたボランティアたちはイスラエル軍に拉致されました」と投稿しました。

また、同船の船長と電話で連絡を取っていた国連特別報告者のフランチェスカ・アルバネーゼ氏は次のように述べました。

「船が拿捕された時点で、負傷者はいませんでした。船長から、記録を残すよう頼まれました」

その後、電話が切れる直前に、イスラエル兵の声が背後から聞こえたと報告しています。

支援船は、乗船していたすべての活動家とともにイスラエルのアシュドッド港へ曳航されました。

今回のマドリーン号の航海は、5月2日に行われたフリーダム・フローティラ連合の以前の試みに続くものでした。その際、マルタ沖の公海上で、イスラエルによるドローン攻撃を受けました。

この攻撃により、乗組員4人が負傷し、船体が損傷。船は航行不能となり、その場に取り残されました。

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