国際刑事裁判所(ICC)は、約10年前の宗派間暴力の中で残虐行為に関与したとして、中央アフリカ共和国の反政府武装勢力の指導者2人に対し、長期の実刑判決を言い渡しました。
パトリス・エドゥアール・ンガイソナ被告には懲役12年、アルフレッド・イェカトム被告には懲役15年の判決が下されました。
両被告は、2013年9月から2014年2月にかけて首都バンギおよびその周辺でイスラム系市民を標的とした暴力行為を行ったアンチ・バラカ民兵の上級指揮官としての役割を果たしたとして、有罪と認定されました。
有罪判決には、殺人、民間人に対する攻撃、拷問、迫害、強制移送など、複数の罪状が含まれています。
アンチ・バラカ民兵は、2013年にフランソワ・ボジゼ大統領を追放したイスラム系主体のセレカ反政府勢力と衝突し、その結果、国中で大規模な暴力が広がりました。
裁判官は、国家調整責任者を務めていたンガイソナ被告が、ボジゼ氏の権力復帰とセレカ勢力への報復を目的とする作戦の計画に関与していたと指摘しました。
元地域司令官のイェカトム被告については、自身の武装部隊を完全に掌握しており、他の指揮官たちと協調して攻撃を実行していたと認定されました。
しかし裁判所は、当初この紛争が宗教的性質を持つものではなかったとの判断を示しました。戦争以前には、イスラム教徒と非イスラム教徒の住民が平和に共存していたとする証人の証言を根拠としています。
裁判は2021年に始まり、両被告はいずれも無罪を主張していました。
ICCの検察官事務所は、声明の中で今回の判決を歓迎すると表明しました。
ICCの副検察官は、「今回の有罪判決は、ローマ規程の下で残虐行為を行った者が必ず裁かれ、責任を問われるというICCからの強いメッセージです」と述べました。
「戦場から権力の中枢に至るまで、市民保護という国際人道法の最も根本的な原則を侵害する犯罪には、いかなる不処罰もあってはなりません」と強調しました。
この裁判では、検察側が115人の証人を申請し、そのうち75人が実際に法廷に出廷しました。