2025年6月17日
日本では、ダニが媒介する致死性ウイルス「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」の感染が新たに確認され、動物から人への初の感染例とみられることから、警戒が高まっています。
報道によると、三重県で働いていた50代の男性獣医師が、5月に体調を崩し発熱しました。発症前には、動物病院で体調不良の猫を診察していたということです。
男性は発熱した当日に入院しましたが、数日後に死亡しました。解剖の結果、ダニにかまれた痕は見つからず、同僚や猫の飼い主にも今のところ症状は出ていないとされています。
SFTSは、主にダニにかまれることで感染するブニヤウイルスによって引き起こされる感染症です。高熱、嘔吐、下痢、多臓器不全などの症状を引き起こし、致死率は10〜30%と報告されています。
日本では2013年に初めて感染が確認されて以降、これまでに600例以上が報告されており、三重県、和歌山県、島根県など西日本を中心に発生しています。
日本獣医師会は、動物や死骸を扱う際にはマスクや手袋、ゴーグルなどの防護具を着用するよう注意喚起を行いました。地元の保健当局は、ウイルスが猫から獣医師に直接感染した可能性があるかどうかを調べています。
ペットに関連するSFTSの感染例はまれですが、今回の事例を受けて、感染した動物によるリスクへの注意が改めて呼びかけられています。特に、春から秋にかけてマダニの活動が活発になる季節には注意が必要です。
当局は、草むらなどではマダニよけを使用し、長袖や長ズボンを着用すること、また病気の動物や野良動物に接する際は十分に注意するよう呼びかけています。