サウジアラビアの石油大手アラムコは、中国の電気自動車(EV)メーカーであるBYDと、新エネルギー車技術の開発における協力を模索するため、共同開発契約を締結したと月曜日に発表しました。
この契約は、アラムコの子会社「サウジ・アラムコ・テクノロジーズ・カンパニー(SATC)」が締結し、車両の効率性および環境性能の向上を目指します。これは、サウジアラビアがクリーンなモビリティへの移行を加速させる中での一環です。
この契約は、米国のEVメーカー「テスラ」が4月10日にリヤドでイベントを開催し、サウジアラビア市場に参入した後に発表されました。
同社は、競争の激化やイーロン・マスクCEOを巡る継続的な政治的論争の中で、2025年第1四半期に世界販売が13%減少したことを受け、販売回復を目指しています。
アラムコの技術監督・調整担当上級副社長であるアリ・アル・メシャリ氏は、「アラムコは、低炭素の革新的な燃料から先進的なパワートレイン構想まで、輸送効率を最適化するためのさまざまな方法を模索しています」と述べました。
EVの普及促進
サウジアラビアは、電気自動車の普及率を現在の1%から今後5年間で30%に引き上げるという野心的な目標を掲げています。
しかし、同国はインフラ整備の課題に直面しており、2024年時点で確認されているEV充電ステーションはわずか101か所にとどまっています。
こうした状況の中で、テスラはサウジアラビアにおける事業拡大を支援するため、オンライン販売、ポップアップストアの展開、そして主要都市へのスーパーチャージャー設置を進める計画を明らかにしました。
世界最大級のEVメーカーであるテスラとBYDは、グローバル市場での主導権をめぐって競争を激化させています。特に、BYDの急成長と低価格モデルは、主要地域におけるテスラのシェアに大きな圧力をかけています。