2025年6月23日
国際原子力機関(IAEA)のラファエル・マリアーノ・グロッシ事務局長は、50年以上にわたって国際安全保障の基盤となってきた核不拡散体制が「危機に瀕している」と警鐘を鳴らしました。
グロッシ事務局長は、イランでの劇的な事態が「昨夜の爆撃と紛争拡大の可能性により、さらに深刻なものとなっている」と述べ、米国によるイランの核関連施設への攻撃を受けて、国連安全保障理事会の緊急会合で発言しました。
また、「対話と外交に戻るための機会はまだ残されている」と述べた上で、「しかし、その機会が失われれば、暴力と破壊は想像を絶する規模に達し、核不拡散体制が崩壊する恐れがある」と警告しました。
グロッシ事務局長はさらに、「私たちは交渉の場に戻り、核不拡散条約 (NPT) の守護者であるIAEAの査察官がイランの核施設に再び立ち入り、特に60%まで濃縮された400キログラムのウランを含む備蓄量を確認できるようにしなければなりません」と述べました。
米国のトランプ大統領は23日(日)、米国軍がイランのフォルドウ、ナタンツ、イスファハンにある核関連施設を爆撃したと明らかにしました。
これらの攻撃は、6月13日以降続いている、米国の支援を受けたイスラエルによるイランへの軍事攻勢の一環です。それに対抗する形で、イランがイスラエルに報復攻撃を行う事態に発展しています。