トルコ
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エルドアン大統領、日経新聞に寄稿「アジアから世界の共通の良心へ」
トルコのレジェプ・タイイップ・エルドアン大統領が執筆した、アジアの両端から世界に共通の良心を呼びかける内容の寄稿記事が、日本の主要紙「日経新聞」に日本語と英語で掲載されました。
エルドアン大統領、日経新聞に寄稿「アジアから世界の共通の良心へ」
エルドアン大統領は、長年にわたりトルコと日本の友情がインフラ、技術、教育、文化などの分野で形となってきたと述べました。/ 写真: AA
10時間前

アジアから世界の共通の良心へ

トルコと日本を結ぶ心の架け橋は、公式文書よりも強く、歴史や人類の良心に支えられています。この友情の架け橋の基礎は、歴史の中で培われ、人々の心に残る記憶によって形作られました。1890年、エルトゥールル号が串本沖で遭遇した悲劇は、この絆の象徴のひとつです。当時、日本の人々が示した思いやりと助けは、私たちの記憶に深く刻まれ、両国関係を人道的な基盤の上に築くものとなりました。

長年にわたり、トルコと日本の友情はインフラ、技術、教育、文化などの分野で具体化してきました。マルマライやオスマンガーズィ橋、ボスポラスの第二橋ファティフ・スルタン・メフメト橋やハリチ橋など、多くの事業でトルコの努力と日本の技術が協力して実現しました。これらは単なる建造物ではなく、両国の知恵と協力、心の絆の象徴です。

イスタンブールのチャム・サクラ市立病院は、医療分野での協力の代表例です。また、この友情と協力は両国にとどまらず、中東地域でも具体的な成果を上げています。トルコの建設者の努力と日本の精密な技術が結びつくことで、誰もが模範とするプロジェクトが生まれています。こうした取り組みは、両国のパートナーシップが信頼、誠実さ、品位の上に築かれていることを示しています。

今後も、アフリカや中央アジアで、両国の企業が共同でインフラ、エネルギー、交通、その他の開発プロジェクトを実施できる可能性があります。また、ウクライナやシリアの再建プロセスにおいても、トルコと日本の協力が具体的なプロジェクトを通じて大きな成果と価値を生み出すことが期待されています。

現在、国際システムが深刻な危機に直面していることが明らかになっています。世界経済は繰り返し揺らぎ、エネルギーや食料の安全保障は脆弱化し、気候変動による災害があらゆる地域に影響を及ぼし始めています。技術の急速な進歩は新たな機会を生む一方で、深刻なリスクももたらしています。

これらの変化はトルコと日本の双方に直接影響しています。地理的な距離や経済力だけでは、こうしたグローバルな試練から身を守ることはできません。こうした状況は、もはやどの国も単独で国際問題を解決できないことを示しています。一方的な取り組みは行き詰まり、国際機関も十分に機能していません。

このような中で、豊かな文明を持つ両国として、トルコと日本が協力することで、国際的な問題に対する建設的な解決策を導く道が開かれる可能性があります。

トルコと日本を結びつける最も重要な分野のひとつは人道外交です。両国の人々の間にある親愛の情や文化的類似、相互の敬意が強い共通の基盤を作っています。両国の国民は、苦しむ人々に手を差し伸べ、人の尊厳を重んじる姿勢を持っており、そのため外交面でも共同で行動しやすくなっています。

国家間の協力にとどまらず、両国の国民の間には古くからの心の絆と共通の感覚があります。民間団体や支援組織、開発機関は長年にわたり協力しています。TİKAとJICAが異なる地域で実施しているプロジェクトは、その具体例です。したがって、問題は単なる国家間の協力ではなく、両国民の良心を外交に反映させることでもあります。

この人道外交の視点から、国際危機を見る必要があります。世界は、どの国も単独では対応できない課題に直面しています。パンデミック、戦争、侵略、難民の流入、経済の変動、自然災害などは、地域的・国際的な連携と協力を不可欠とする挑戦です。

トルコと日本は、長年にわたり自然災害、特に地震の際に互いに支援してきました。2023年にトルコで発生した地震災害では、日本からの貴重な支援が国民の記憶に深く刻まれています。一方、2011年に日本で発生した地震と津波の際には、トルコも日本に支援の手を差し伸べました。今後もこうした災害時には、互いに支え合う姿勢を維持していきます。

これらはいずれも国境を越えた、世界規模の試練です。もし各国が互いに背を向ければ、不確実性は増し、先行きの見えない状況が深まり、混乱は広がります。しかし、信頼を基盤とした協力が行われれば、不確実性を抑え、先行きの不透明さを軽減することが可能です。

そのため、トルコと日本が共同で行動することは極めて重要です。互いに補完し合う経験、地理的なアクセス、人道的感覚が、世界規模で大きな影響を生み出す可能性があります。我々にはその意志があり、共に行動すれば、問題解決の力は大きいと信じています。

この枠組みを踏まえ、ガザについても触れたいと思います。現在、ガザは人類の良心が試される深刻な状況に置かれています。イスラエルの攻撃と占領の影響で、子どもたちは飢えに苦しみ、病院は機能不全に陥り、街は破壊され、何百万人もの人々が最低限の生活必需品すら手に入れられない状態です。この惨状は、全人類に関わる問題です。

トルコは沈黙せず、これからも沈黙しません。停戦の実現、人道支援への妨げのないアクセス、そして無実の市民の保護のため、あらゆる場で努力を続けています。私たちは、声をさらに強め、影響力をより広く発揮する必要があると考えています。

日本の平和を重んじる英知、国際法の順守、そして人道への感受性は、この過程において極めて重要です。トルコの地域的影響力と人道支援能力が加わることで、落ち着きと力強さを兼ね備えた協力関係が築かれるでしょう。

今、必要なのは停戦を実現するための外交努力を強化し、人道支援を途切れなく届け、子どもたちの教育や医療のための資源を確保し、そして何よりも二国家解決を基盤とした公正な和平を支持することです。そうすることで、ガザにおいては単に傷を癒すだけでなく、未来を切り拓く希望を生み出すことができます。

結論として、トルコと日本の友情は過去の美しい思い出にとどまらず、現代の困難を克服するための大きな力でもあります。国際秩序が揺らぎ、信頼が損なわれつつある時代において、両国が共に行動することは極めて重要です。

現在の状況において、ガザでの苦難に対し世界が連帯を示すことは、歴史的責務であると同時に、人類の尊厳を守るための不可欠な義務です。その連帯が具体的な行動へと結びつくことで、平和、公正、そして良心が一層強化されます。世界は、共通の意志と協調した努力によってのみ、より公正で安全で人間的な未来を築くことができるのです。

情報源:TRT Global
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