バルセロナを出発しガザを目指していた艦隊は、夜間にスペインの一部を暴風が襲った影響で、港に戻ることを余儀なくされました。
声明によると、「グローバル・スマド艦隊」は、44か国からの参加者を乗せた約20隻で構成されており、安全を最優先するために出航を延期し、バルセロナ港へ戻ることを決めました。
声明では、時速56キロ(35マイル)を超える風の影響で、参加していた小型艇の一部が危険にさらされる可能性があったと説明しています。
この艦隊は、パレスチナ自治区に対するイスラエルの海上封鎖を突破しようとするこれまでで最大規模の試みとなります。
この動きは、イスラエルがガザ市での攻勢を強め、自治区北部への食料や生活必需品の供給を制限している状況の中で起きています。
食料問題の専門家は、今月初めにガザ市が飢饉に陥っていると警告し、自治区全体で50万人が壊滅的なレベルの飢餓に直面していると伝えています。
激化する戦闘
日曜日、バルセロナの旧港では、炎天下のもと数千人の親パレスチナ派の支持者が集まり、出航する艦隊を声援で送り出しました。
スペイン気象庁(AEMET)は、カタルーニャ地方をはじめ国内各地で降雨や強い嵐の恐れがあるとして警報を出していました。
艦隊が再びバルセロナを出発する時期は明らかになっておらず、今後数日のうちにチュニスやシチリアなど地中海各地から他の船舶が合流する見通しです。
艦隊には、アカデミー賞受賞女優のスーザン・サランドン氏や、米HBOドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」で知られる俳優リアム・カニンガム氏からの支持も寄せられました。
イスラエル軍はこれまでも同様の艦隊を阻止してきた経緯があり、今回もガザ付近への接近を妨げる可能性が高いとみられています。
現地当局によると、およそ23か月に及ぶ激しい戦闘で6万3,000人以上が死亡し、その中には栄養失調によるパレスチナ人の死者が約340人含まれ、うち124人は子どもだったとされています。