ロシアのプーチン大統領はウクライナのゼレンスキー大統領との会談に応じる用意があるものの、まずすべての課題を整理する必要があり、またゼレンスキー氏に合意文書へ署名する権限があるかどうかも問題となっていると、プーチン氏のラブロフ外相が木曜日に述べました。
一方、プーチン大統領と米国のトランプ大統領は金曜日、約4年ぶりとなる米露首脳会談をアラスカで行い、第二次世界大戦以来ヨーロッパで最も犠牲者を出している戦争をいかに終結させるかについて協議しました。
その後、トランプ大統領は月曜日に、ロシアとウクライナの首脳会談の調整を開始したと明らかにし、さらに自身を交えた三者首脳会談の開催も視野に入れていると述べました。
プーチン大統領がゼレンスキー大統領と会う意思があるかどうかを問われ、ラブロフ外相は「我々の大統領は会う用意があると繰り返し述べている」と答えました。
ラブロフ外相はただし書きを加え、「最高レベルで検討すべきすべての課題が十分に整理され、専門家や閣僚が適切な提言を準備することを前提とする」と述べました。
さらにラブロフ外相は、「将来の合意に署名する段階が訪れる場合には、ウクライナ側でその署名を行う人物の正統性の問題が解決されていることが前提となる」と語りました。
2022年の協議
プーチン大統領は、ゼレンスキー大統領の任期が2024年5月に満了する予定だったことから、その正当性に繰り返し疑念を示してきました。しかし戦争の影響で新たな大統領選はまだ行われていません。
キエフは、ゼレンスキー氏が引き続き正統な大統領であると主張しています。
ロシア当局者は、もしゼレンスキー氏が合意に署名した場合、将来のウクライナ指導者が「任期が技術的に終了していた」としてその合意を争う可能性を懸念していると述べています。
ラブロフ外相は、ウクライナへの安全保障保証の最善策は、2022年にモスクワとキエフの間でイスタンブールで行われた協議に基づくべきだと述べました。
ロイターが入手したその文書案によると、ウクライナは国際的な安全保障保証と引き換えに、国連安全保障理事会の常任理事国5か国(英国、中国、フランス、ロシア、米国)から永続的な中立を認めることが求められていました。
ラブロフ外相は、失敗に終わったイスタンブール協議から逸脱しようとする試みは絶望的だと述べ、ヨーロッパの指導者たちがアラスカ首脳会談で得られた進展を損なおうとしていると非難しました。