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詐欺関与の疑い、日本人29人をカンボジアから移送
警察は押収したスマートフォンや通信記録を分析し、グループの実態解明を進めています。
詐欺関与の疑い、日本人29人をカンボジアから移送
今後の取り調べ次第で、さらなる関係者の特定や摘発につながる可能性があります。/ 写真: AP
2025年8月21日

カンボジアの詐欺拠点に関与したとされる日本人容疑者29人が、2025年8月20日にチャーター機で日本へ送還され、愛知県警に逮捕されました。容疑者たちは特殊詐欺グループの一員とみられ、今後本格的な取り調べが進められます。

容疑者たちは、カンボジア北西部ポイペトに設けられた拠点で活動していたとされます。現地当局は5月下旬に拠点を急襲し、拘束した後、プノンペンの施設に収容していました。20日の送還では、愛知県警の捜査員が同行し、中部国際空港に到着後、各警察署へ移送されました。

送還された容疑者たちは、東京都八王子市に住む64歳の男性に対し、SNSのビデオ通話を通じて「資金洗浄事件に関与している可能性がある」と偽り、口座の入出金を確認する必要があるなどと説明して現金をだまし取ろうとしたとされています。捜査当局は、グループによる被害額が約14億円に上ると見込んでいます。

愛知県警の発表によると、送還された29人の容疑者は住所や職業が明らかになっておらず、男性が28人、女性が1人です。年齢層は20代が15人、30代が8人、40代が1人、50代が2人、さらに19歳の若者が3人含まれています。

また、拠点の存在は、愛知県在住の20代男性の証言から明らかになりました。男性は求人情報を通じて現地に誘われ、監視下で詐欺の電話業務を強要されたとされます。県警は、押収した携帯電話や電子機器の解析を進め、組織の実態解明を急いでいます。

愛知県警は、逮捕された29人の容疑者が組織内でどのような役割を担っていたのかを詳しく追及するとともに、国内外に広がる特殊詐欺のネットワーク全体の実態解明を目指しています。取り調べの進展によっては、さらに関係者が特定され、追加の摘発につながる可能性もあります。

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