ベトナム出港の貨物船コンテナから約1.046トンの大麻が押収され、日本の税関は国内で過去最大規模の摘発と発表しました。事件は2025年8月13日(水)に発覚し、押収された大麻の市場価格は約52億円(約3,500万ドル)に相当すると見られています。
今回の摘発は、国際的な麻薬密輸の手口を明らかにするもので、税関当局は関係者の捜査を進めています。
税関によると、大麻はベトナム南部ホーチミン市を出港した貨物船に積まれ、東アジアを経由して日本へ運び込まれたとみられます。
コンテナ内部は木材で覆われ、その下に密封された多数の袋が巧妙に隠されていました。重量の不一致が検査で判明し、X線による精査で大量の違法薬物が確認されたということです。
捜査当局は、この密輸が国際的な犯罪組織による計画的犯行である可能性が高いとみており、ベトナム当局や国際刑事警察機構(ICPO)と連携して捜査を進めています。押収された大麻の規模は国内の年間消費推計を大幅に上回り、流通した場合には社会に深刻な影響を及ぼす恐れがあると警鐘を鳴らしています。
税関は港湾における検査体制の一層の強化に加え、情報収集や国際的な協力を通じて密輸ルートの全容解明を急ぐ方針です。
近年、日本国内では大麻密輸の摘発件数が急増しており、税関によると昨年1年間に全国の空港や港で確認された件数は過去最多を記録しました。
背景には、若者を中心とした大麻乱用の拡大があります。厚生労働省の統計では、大麻所持や密輸で検挙された人のうち約7割が20代以下で、平成27年と比べて4倍以上に増加しています。
SNS上では「野菜」などの隠語を用いた取引も目立ち、摘発の難しさが指摘されています。
こうした状況を受け、麻薬取締部は港湾や空港での検査を強化し、警察や税関と連携して密輸組織の摘発を進めています。