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ロシア公文書が語る、終戦直後の樺太での虐殺記録
これらの記録は、当時の現地状況に関するこれまで知られていなかった事実を示しています。
ロシア公文書が語る、終戦直後の樺太での虐殺記録
岩屋毅氏と鄭義溶氏(チョン・ウィヨン)/ 写真: AP
2025年8月12日

ロシア政府が新たに機密を解除した文書により、1945年8月から9月初めにかけて、南樺太(戦前の日本領) で朝鮮人住民が死亡した事例が追加で確認されました。

毎日新聞の報道によると、公開された資料には、ソ連軍の南樺太侵攻後、日本人住民が一部の朝鮮人住民を「スパイ」と誤認し、拘束や暴行が発生した事例が記録されています。

複数の地域で発生したとされる事件の概要や、現地住民の証言も収録されており、戦後間もない南樺太における民族間の関係性の一端を浮き彫りにしています。

特に、現在のレオニドヴォにあたる旧上敷香村では、憲兵隊の管理下にあった施設内で拘束された朝鮮人18名が死亡したとする証言が残されています。こうした事件は、当時の混乱した社会状況や情報の不足、そして民族間の緊張といった背景が影響していたと考えられています。

朝日新聞によれば、資料には現地住民の証言や関係者の報告も含まれており、南樺太における戦後直後の民族関係の複雑さを示していると伝えています。

これらの一次資料は、ロシア連邦保安庁(FSB)からサハリン郷土博物館などに移管され、現在も研究者や歴史家によって分析が進められており、一次資料として重要な価値を持っています。

今回の資料公開は、南樺太における戦後の複雑な歴史の解明に新たな一歩をもたらしました。今後の研究成果に注目が集まります。

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