日本の与党・自民党の議員たちは月曜日、石破茂首相を退陣させる可能性のある臨時総裁選を実施するかどうかを決める投票を行う予定です。この決定はすでに金融市場に動揺を与えており、世界第4位の経済規模を持つ日本経済にも影響を及ぼす可能性があります。
政治的不透明感により、今週は円と日本国債(JGB)の売りが進んでおり、30年物国債の利回りは水曜日に過去最高を記録しました。
市場は、石破茂首相が、日本銀行の最近の利上げに批判的で、財政・金融政策の緩和を訴える高市早苗氏のような候補者に交代する可能性に注目しています。
三井住友トラスト・アセットマネジメントの上級ストラテジスト、稲留勝利氏は「市場では、自民党が総裁選を実施し、財政タカ派として知られる石破茂首相が退任するとの見方が支配的です。石破氏の後任はおそらく財政政策の緩和により前向きであるため、JGBの売りがさらに進む可能性があります」と述べました。
石破首相、党内で立場弱体化
石破茂首相は、自民党内からの退陣要求に抵抗してきました。これは、7月の参議院選での自民党の敗北を受けてのものです。しかし、両院での過半数を失ったことで、首相の立場は弱まっています。
野党は政府との協力を拒否しており、一部の閣僚も新しい党総裁の選出を求めています。党規則では、総裁選の実施には自民党所属議員の半数以上の要請が必要であり、臨時総裁選は今月後半か10月に行われる可能性があります。
総裁選の実施は、生活費高騰に対応するための補正予算の成立を遅らせる可能性があります。
石破首相は金曜日、今秋に経済支援策をまとめる意向を示し、「政府として国民への責任を果たす以外に言えることはない」と述べました。
政治アナリストは、石破首相の立場がますます不安定になっていると見ています。ユーラシア・グループは、総裁選で石破氏が勝利できない可能性を60%と見積もっています。
ユーラシア・グループ日本・アジア貿易部長のデビッド・ボーリング氏は、「最近の選挙での石破氏の党首としての低迷に加え、麻生太郎元首相が臨時総裁選の実施を支持していることが、石破氏に不利に働いている」と述べました。
有力候補は誰か
後任となる可能性のある候補者は、財政刺激策や日本銀行の金利政策にも影響を与える可能性があります。
有力候補には、経済政策の詳細は不明ながら人気のある農林水産大臣の小泉進次郎氏や、自民党右派を代表し、日本初の女性首相となる可能性のある高市早苗氏が含まれます。
高市早苗氏は、9月の総裁選決選投票で石破氏に敗れたものの、日本銀行の利上げを批判し、弱い経済を支えるための政府支出拡大を訴えています。
一方、稲留勝氏は「高市氏の下では財政規律は失われるだろう。市場は、彼女が9月にあと一歩で勝利し、JGBの大幅な売りを引き起こしたことを今でも覚えている」と述べました。